これからの社会で成功する人はどんな人なのか?

これからの社会を生き抜くために、絶対に知っておきたい仕事のルール3BOOKS

GIVE & TAKE

GIVE & TAKE

「与える人」こそ成功する時代

著者名:アービンジャー インスティチュート、金森 重樹、 冨永 星

大和書房; 1版 (2006/10/19)

Amazon詳細ページへ

無料版はYouTubeの音声でお楽しみ下さい。

これからの社会で成功する人はどんな人なのか?

書評

社会人になると、学生時代のように仲の良い人たちとつながるだけでなく、上司部下、取引先、お客様など様々な人間関係が生まれ、そこでどう振舞ったら良いのか悩むこともあると思います。そんな人たちにおすすめなのが、この一冊。
この本を読んでいくと、人間を「ギブばかりする人」、「テイクばかりする人」、「バランスを取ろうとする人」の3タイプに分け、その中でどういった人が今の時代に成功しやすいのか、なぜ成功するのかがわかりやすく、たくさんの事例や研究結果をベースに説明されています。
自分自身も振り返ってみると、「損をしないようにする」、「あまり自分ばかりが儲かるようにはしない」という意識は持っていましたが、「相手のために与えようとする」という姿勢をなかなか持っていなかったな、と反省しました。「ギブ・アンド・テイク」と聞くと、損得のバランスと考えてしまう人にとって、新たな気づきと深い内省を与えてくれる一冊でしょう。

ポイント

  • ギバー、テイカー、マッチャー
  • 成功するギバー、失敗するギバー
  • 「成功するギバー」のテクニック

エッセンス

この本では、ギブ・アンド・テイクの関係において、人に惜しみなく与える「ギバー」と、真っ先に自分の利益を優先させる「テイカー」、損得のバランスを考える「マッチャー」の3タイプに分け解説しています。その中で、一番成功するタイプはなにかと、そのタイプの考え方や行動についてまとめました。

ギバー、マッチャー、テイカー

人に惜しみなく与える「ギバー」は、ギブ・アンド・テイクの関係では、自分のもらう利益以上に、相手に利益を与えようとします。マザー・テレサやガンジーのように聞こえるかもしれませんが、職場以外ではこのような行動をする人はたくさんいて、家族や友人のように親密な人間関係では大抵の人が「ギバー」として振舞っているそうです。
 
真っ先に自分の利益を優先させる「テイカー」は、自己中心的で、常に与えるより多くの利益を得ようとします。相手が有利になるように協力をすることは基本的になく、自分の得られる利益が損失を上回る時にだけ協力します。職場でのテイカーは、部下に対して支配的でどう思われようと気にしませんが、上司などには従順で、人当たりも良いため、好かれやすいです。テイカーは才能溢れ、優れたアイディアを出す人も多いのも特徴です。ただ、チームメンバーを頼ることが出来なかったり、ほかのメンバーから嫉妬されたり、嫌われたりすることも多いので、チームでの結果が出にくいです。
 
三番目の「マッチャー」は、損得のバランスを考える人です。仕事の場では、多くの人がこれに当てはまります。「マッチャー」は常に「公平」という観点で行動し、相手の出方に合わせて、助けたり助けなかったりしながら、ギブとテイクを五分五分に保ちます。
 
この3タイプのうち、最も成功するのはどのタイプでしょうか。また最も失敗するのはどのタイプでしょうか。
 
本書では、最も失敗するのは「ギバー」だと述べています。一方、最も成功するタイプも「ギバー」であるという驚きの事実が明かされます。なぜ「ギバー」の中でも「成功するギバー」と「成功できないギバー」に分かれるのか、またどうしたら「成功するギバー」になれるのかをまとめました。

成功するギバー、失敗するギバー

「ギバー」は「自己犠牲タイプ」と「他者志向タイプ」の二種類に分かれます。「自己犠牲タイプ」は他人を助けているうちに自分自身を傷つけるタイプです。例えば自己犠牲タイプの大学生は、友人の問題などを助けようとするあまり、授業に出られず、自分の勉強ができなくて成績がどんどん落ちていきます。「ギバー」は人のために時間とエネルギーを注ぎこみ過ぎてもつらいと感じられないため、自己を犠牲にしていると、自分の利益を得ることが出来ません。この「自己犠牲タイプのギバー」が、「失敗するギバー」です。
 
一方、「他者志向タイプ」は、決して自分の利益は見失わず、「いつ、どこで、どのように、誰に与えるか」を決めるため、誰かのために燃え尽きることなく、成功しやすくなります。この「他者志向タイプ」の「ギバー」になることが「成功するギバー」になる条件です。
 
例えば、他人から助けや協力を求められたときに、言われるがままにその都度「自己犠牲」で与えるやり方は、疲労感が大きく、注意力や気力も奪われ、幸福感を感じられません。一方、与えることを整理し、自分のタイミングで、まとめて与える「他者志向」のやり方では、幸福度が増します。
 
また、「自己犠牲タイプのギバー」は、助ける側の役割に徹しているため、他人に迷惑をかけたくありません。なので、助けを受けることがとても少なくなり、精神的にも、肉体的にもダメージを受けてしまいます。対照的に、「他者志向タイプのギバー」は自分自身の幸せを守ることの大切さを理解しているため、自身の不調などに気付くと、人に助けを求め、やる気や気力維持に必要なアドバイスや協力を仰ぎます。
他人のことだけでなく自分自身のことも思いやりながら、「他者志向的」に与えれば、心身の健康を犠牲にすることはなく、幸せに生活を送ることが出来ます。

「成功するギバー」のテクニック

「成功するギバー」は「他者志向的」であることはわかりましたが、どのようなテクニックで、ギブ・アンド・テイクしているのでしょうか。「成功するギバー」は、人はみな善人だ。という信念から出発しますが、同時に、周囲の状況を注意深く観察して潜在的な「テイカー」を見つけます。

人が「テイカー」かどうかを見分ける方法はいくつかあります。例えば、会社のCEOの事例で説明すると、「テイカー」のCEOはインタビューなどで話すときに、自分のことで頭がいっぱいです。会社や社員のことではなく、自分自身のことばかりを話します。また、報酬に関しても、自分のことを優れた人間とみなしているので、給料が他の人よりも高くても当たり前。この本の事例に出てくるケースでは、業界平均では、CEOと他の経営幹部との報酬の差が1.5倍程度だった時に、「テイカー」のCEOは3倍以上の報酬をもらっていました。

また、一般的に「テイカー」はSNSなどでは、ナルシスティックな、実物以上によく見える写真を投稿したり、自己中心的で押しつけがましい文章を投稿したりしているそうです。また、自分をよく見せたいので、うわべだけのコネクションを作ります。SNS上の「ともだち」がやたら多いという特徴もあります。

「ギバー」は「テイカー」と付き合うとメリットを与え続け、消耗することになるため、どう向き合うかが非常に重要です。
まずは周りの評判を聞き、本当に「テイカー」かどうかを確認します。「テイカー」とはそもそも付き合わないようにすることをまず目指しましょう。
どうしても「テイカー」と付き合わなければならないときには、損得のバランスを考える「マッチャー」のスタンスに自分を変えることをおすすめします。ただしゲーム理論的には、毎回「マッチャー」でいるよりも、3回に1度「ギバー」のスタンスをとるほうが有利になると言われているため、スタンスを使い分けましょう。
さらに、「ギバー」は自身を主張することが苦手す。主張をうまく通すコツも紹介します。その方法とは、「ギバー」は誰かのために、というシーンで、すごい力を発揮します。その性質を活かし、自分を自身や家族などの誰かの「代理人」であると意識して、交渉の場に臨むとよい結果が出ます。

成功する「ギバー」は、「ギブ・アンド・テイク」にひとつの決まったやり方で対応するのではなく、周囲の状況や相手に応じて、時に自己主張をすることができる人なのです。

最後に

まとめると、ギブ・アンド・テイクの関係性の中において人は、「成功するギバー(他者志向的ギバー)」と「テイカー」、「マッチャー」、「失敗するギバー(自己犠牲的ギバー)」の4タイプに分かれます。
基本的に、「ギバー(他者志向的、自己犠牲的)」「テイカー」「マッチャー」の3タイプの線引きは厳密なものではなく、人は自分の役割や相手との関係によって、この3タイプを使い分けることが出来ます。成功するギバーになれるよう、意識してみましょう。

これからの社会で成功する人はどんな人なのか?

GIVE & TAKE

GIVE & TAKE

「与える人」こそ成功する時代

著者名:アービンジャー インスティチュート、金森 重樹、 冨永 星

大和書房; 1版 (2006/10/19)

Amazon詳細ページへ

description 仕事のルール

これからの社会を生き抜くために、絶対に知っておきたい仕事のルール3BOOKS

  • think civility
  • GIVE & TAKE