社会人として大きく成長するためには?

何事も最初が肝心、新入社員研修で読ませたい3BOOKS

君たちはどう生きるか

著者名:吉野 源三郎、 イラスト:羽賀 翔一

マガジンハウス (2017/8/24)

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社会人として大きく成長するためには?

書評

あなたはいじめを目撃したとき、止めに入ることができますか。困った人を見かけたときに、ためらわず、すぐに手助けすることができますか。
「君たちはどう生きるか」は、1937年、日本で軍国主義が進んでいく時期に発行されました。個人や自由について語る人たちが弾圧された時代だからこそ、自分の頭で考えられるようになって欲しいという作者の思いが込められており、「人にとって本当に必要なこと」を10代の少年に向けて伝えています。
文中には昭和初期の言葉遣いをそのまま残している単語もあるので、現代のみなさんが違和感をおぼえる表現もあるかもしれません。けれども、どんな時代にも変わらない、そしてどの世代にも共通する、人生において大切にすべきことについて書かれています。それは、社会人として仕事を始めるみなさんにとっても指針となる内容です。
これからみなさんが社会人として大きく成長するためにはどうすればいいか。この本を通じて、「自分のあり方」を考えられます。
わたしたちはどうあるべきか、この本は、人の根源的な問いについて書かれた80年以上読まれ続ける「生きるための教科書」です。

ポイント

  • 「知っている」ことと「わかる」ことは違う
  • 「みっともない自分」とどう向き合うか
  • 「自分で自分を決定する」こと

エッセンス

「どう生きるか」。この問いを掲げる本書は、物理学や経済学、歴史の見方などの教養も学べます。しかし今回は、みなさんが社会人として大きく成長するためには、「みなさん自身の視点」が重要であるということからお伝えします。
世の中には、他人からの見え方ばかり気にする人がいます。有名な企業に勤めていたり、お金を稼いだりすればかっこいいと考えている人もいるでしょう。
しかし、世間の目よりも、「あなた自身の目」を意識する。この本はそんな生き方の大切さを語っています。

「知っている」ことと「わかる」ことは違う

例えば、水が酸素と水素からできていることは学校で習います。でも、冷たい水の味は実際に飲まなければわからないですね。また、赤はどのような色か、芸術にはどのような面白さがあるのかなど、人生には実際に体験することで初めてわかることがたくさんあります。
物事を解説している本や誰かの説明から「知る」機会があったとしても、心から「わかる」ためには、自分自身で感じることが重要です。
自分が素直に感じたことや心を動かされたことを大事にしましょう。そうすることで、自分なりの考えが育っていきます。
学校や会社での成績や評判は、他人からの評価にすぎません。それよりも、自分自身が大事だと感じることや自分なりの考えを大切にすること。人の目にどう映るかよりも、自分自身にとっての「いいこと」と「悪いこと」の判断を意識していきましょう。

「みっともない自分」とどう向き合うか

この本の主人公であるコペル君は、友人たちが上級生からいじめを受けたら、みんなで立ち向かおうと約束していました。そんなコペル君ですが、いざというときに立ち向かう勇気を持てませんでした。友人が上級生から殴られているのを五、六メートル先から立ちすくんで見ていたのです。
みなさんにも、誰かが困っていて、助けてあげたいと考えたのに何もできなかった、という経験はありませんか。意気地のない自分が嫌になったり、落ち込んだりしたことがあるという方もいるのではないでしょうか。
これからの社会人生活も悩んだり苦しんだりすることに出会います。中でももっとも心に突き刺さるのは、自分が過ちを犯してしまったと認めるときです。自分の行動を振り返って、「こうすべきだったのにできなかった」と、みっともない自分を認めることは、非常につらい経験でしょう。たいていの人は、「あのときは、ああするしかなかった」「結果的に間違っているとは言えない」などと、なんとか言い訳を考え、心の痛みから目を背けようとします。
過ちを認めるのが苦しいのは、自分は正しい行動をとることができたかもしれないという後悔があるからです。しかし実は、この後悔が重要なのです。ああすればよかった、こうすればよかった、とあとから悔やむことによって、自分が何を大切にしたいと思っているのかに気付くことができるのです。

「自分で自分を決定する」こと

わたしたちは、「自分で自分を決定する」力を持っています。
後悔することがあるのは、自分にとって何が大切かが眠っているということであり、正しい行動をする力になるはずです。何を正しいと感じ、自分はどう行動すべきかに結びつける。私たちは自分が感じたことから、自分がどうするかを決めることができるのです。あなたがどう感じたかが、あなたにとっての軸となります。
社会人には仕事の評価や他人からの視点がつきまといます。誰かに言われたことを言われたまましていれば間違いない、と思うかもしれません。けれどもそれでは、社会人として、そして人として大きく成長することはできません。
ひとつひとつの事柄を、あなた自身はどのよう感じるのか、常に問いかけるようにしましょう。そして、あなたにとって「いいこと」なのか「悪いこと」なのかを軸に行動していきましょう。
あなたを決めるのは会社ではありません。世間でもありません。
あなた自身があなたを決めるのです。

今日から

この本の主人公は、地動説を唱えたコペルニクスからとったあだ名で「コペル君」と呼ばれています。
コペルニクスの地動説は、ご存じの通り地球が宇宙を回っているというもので、地球の周りを星や太陽が回っていると考えられていたそれまでの天動説と全く反対の学説です。提唱された当時は危険思想と考えられ、コペルニクスは迫害に遭います。味方する学者は牢屋に入れられたり、本を焼かれたりしました。コペルニクスも長年世間で言われている天動説をそのまま受け止めていれば、こんな辛い思いをすることはなかったでしょう。けれども、自分で発見したこと、自分が正しいと思うことを貫いたのです。
わたしたちが生きる世界で、周りの人と意見が違っても自分なりに感じることを大事にしてほしい、この本の主人公の名前「コペル君」からはそのような作者の想いを感じることができます。

社会人として大きく成長するにはどうすればいいか。
最後にまとめると、自分にとって大切なことが「わかる」ようになること、みっともない自分も受け止めること、正しいと思うことを自分で決定し、自分の軸に沿って行動することが重要だということです。

みなさんは、これからどのように生きますか。

社会人として大きく成長するためには?

君たちはどう生きるか

著者名:吉野 源三郎、 イラスト:羽賀 翔一

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