人生100年時代、あなたが遭遇する新しい働き方とは?

自分のキャリアは自分で育てる、人生100年時代を生き抜くための3BOOKS

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

100年時代の人生戦略

著者名:リンダ グラットン、アンドリュー スコット、翻訳:池村 千秋

東洋経済新報社 (2016/10/21)

Amazon詳細ページへ

無料版はYouTubeの音声でお楽しみ下さい。

人生100年時代、あなたが遭遇する新しい働き方とは?

書評

この本は、2016年に、ロンドン・ビジネススクール、リンダ・グラットン教授(人材論、組織論)とアンドリュー・スコット教授(経済学)の二人が書いた本です。リンダ・グラットン教授は、2011年に、本著の前提となる「ワーク・シフト」という本も書かれており、世界的なベストセラーとなりました。併せて読んでみると、よりこの本の意味が深く理解できるでしょう。「ワーク・シフト」では、テクノロジーの進化によって社会や雇用がどのように変わるのか、が書かれています。それに対し、本書は個人に向けて「寿命が延びた今、人生100年時代に、どのような人生を過ごすのか?」を問いかける本となっています。そもそも、皆さんにとっては、「人生100年時代と言われても良くわからない」というのが本音ではないでしょうか。本書では、人生100年時代で起こる変化を、「時間」「お金」「雇用」「人間関係」の4つの視点から解説します。人生100年時代においてどのような人生を創りたいのか。それを考えるにあたり、あなたにとっての羅針盤のような存在になってくれることでしょう。

ポイント

  • 人生100年時代:何歳まで働くのか? >寿命が延びることで使える時間が増える
  • 人生100年時代:産業構造の変化はさらに早く予測が難しくなる >変化することが大前提での働き方を考える
  • 仕事・余暇・学び、すべて一体となるキャリア >年齢に左右されない多様な働き方へ

エッセンス

人生100年時代:何歳まで働くのか? >寿命が延びることで使える時間が増える
 
・1年間は8,760時間、人生100年だと87幡6,000時間。人生70年から100年になると26万3000時間増える
・生きるために必要な資金を考えると、70代や80代まで働く時代になる
・定年という概念もなくなり、生涯で複数のキ ャリアを持つことが当たり前の時代になる
 
日本は、他のどの国よりも平均寿命が長い国です。国連の統計によれば、2050年までに、日本の100歳以上人口は100万人を突破すると言われています。現在50歳未満の人ならば、確実に平均寿命が100年の時代に生きるということです。
そもそも、人生100年時代になるとこれまでの人生70年時代と何が変わるのでしょうか?シンプルに考えても、一生に過ごす時間が大きく増えます。1年間は8,760時間、人生100年だと約88万時間です。人生70年から100年になると、なんと約26万時間も増えるのです。
あなたは、その26万時間をどのように過ごしますか?自分の祖父母や両親の時代で考えられていた人生設計が根本的に変わります。それは人生の在り方から過ごし方まで考えなおす必要があるでしょう。長く生きる、ということは、それだけお金も必要となります。おそらく、定年という概念もなくなり、70代や80代まで働くのが当たり前になるでしょう。また、働く期間が長くなる分、その間に複数のキャリアを持つことが当たり前になる時代になります。

人生100年時代:産業構造の変化はさらに早予測が難しくなる >変化することが大前提での働き方を考える

•産業構造は、機械化やAI化がさらに進み、今ある職種がなくなり、新しい仕事が生まれる
•企業にとって「雇用の在り方」や新しい企業間連携であるビジネスエコシスエムも生まれ、変化が加速する
•変化に合わせて柔軟に新しいスキルを習得することで「人間にしかできない仕事」を生み出す
 
次に、視点を変えて、「雇用」や「働き方」に影響を及ぼす構造変化についても考えてみましょう。ある研究によると、機械化やAI化などのテクノロジーの進化により、これからの数十年で、現在存在している職種が大きく入れ替わる、とも予測されています。事実、100年前の1900年代初頭では、多くの人が農業従事者と家事サービス従事者だったのに対して、現在はオフィス労働者が大多数になっています。
変化は産業だけではありません。企業側にも大きな変化が押し寄せています。大企業と呼ばれる企業でさえも一社だけでは変化に対応できない世の中になっており、中小企業や新興企業と一緒になってビジネスエコシステムを築くようになりました。また一つの会社でフルタイム働く人より、複数の企業で同時に雇用される人や自分のスキルを糧に個人事業主になる人が増えていくことでしょう。
人生100年時代は、働く期間が長くなるだけでなく、産業構造や企業も変化します。そうなると、もはや未来を予測しつづけることはかなり難しくなります。それならば見方を変えて、人生100年時代には、未来の予測をやめて、「大前提として未来は不確実で変化がある、だからその変化の波に乗ろう」という考え方にシフトさせ、キャリアを創っていくことが重要になるのです。
では、仕事どうなるのでしょうか。機械化やAI化によって仕事が代替されても、人間にしかできない仕事が残ると言われています。それらは例えば、「複雑な問題解決能力」や「対人関係と状況適応能力」です。人生100年時代では、これらの能力を磨くとともに、「複雑な問題解決能力や状況適応力を発揮できる仕事」を探したり、自ら創り出したりすることが求められます。そのためには、20代に学んだ知識に30代以降での経験を上乗せしてキャリアを創るのではなく、年齢に関係なく、変化に合わせて常に学び直し、新しいスキルを習得し続けることが鍵となります。

仕事・余暇・学び、すべて一体となるキャリアとは? >年齢に左右されない多様な働き方へ

•人生100年時代では、今までの年齢別人生のステージ「教育→仕事→引退」そのものがなくなる。
•代わりに、人生いつでも「エクスプローラー」「インディペンデント・プロデューサー」「ポートフォリオ・ワーカー」の3つのステージを行き来する
•3つのステージでは、仕事・余暇・学びという区分けもなく、何回も学び直しとスキルを再習得しながら多様な働き方・人生のキャリアを築くことになる
 
人生70年時代では、私達の多くは、年齢別で大きく3つのステージに分けて人生を過ごしてきました。それは、教育→仕事→引退、というステージです。人生100年時代では、前述したように予測できない変化が非連続に起きるので、この年齢別の3つのステージの時代も終焉するでしょう。代わりにやってくるのは、「人生マルチステージ時代」です。人生の中で、年齢に関係なく、何度でも節目と転機が訪れる時代ですマルチステージ時代では、従来とは異なる新しい3つのステージがあります。それらは、「エクスプローラー(探求者)」「インディペンデント・プロデューサ―(独立生産者)」「ポートフォリオ・ワーカー」です。この3つのステージは、人生の中で順番にやってくるものでもなく、1回しかやってくるものでもありません。一生の間に年齢に関係なく、様々な順番で、何度でも、このステージを行き来することになるのです。
 
では、3つのステージとは何でしょうか。簡単に説明していきましょう。
 
■エクスプローラー(探求者)とは?
エクスプローラーは、探求のステージのことです。世界がどのように動いているか、自分は何者か、自分は何がしたいのか、自分の強みは何か、それを発見していくステージです。このステージでは、自分を日常の生活から切り離すことから始まり、日常から離れて多様なものに触れることで、新しい人脈を作ることもできます。このエクスプロ―ラーのステージでは、人生の大きな転機が生まれるでしょう。
 
■インディペンデント・プロデューサー(独立生産者) 
インディペンデント・プロデューサーを「職を探す人」ではなく一言で言えば、「職を生み出す人」です。そのステージにいる人は、従来のアントレプレナーとは違った形で事業を生み出したり、企業や組織の中で雇われず独立した立場で生産活動に携わります。ビジネスでの成功よりも、事業を生み出す生産活動そのものを目的にします。金銭的な成功以上に、このステージでの「経験を通じての学び、スキルを習得すること」が事業を生み出す糧となるのです。例えば、かつてのアントレプレナーたちは知的財産権を守ろうとしましたが、新しい時代のインディペンデント・プロデューサ-達は、知的財産でさえも公開し、シェアします。彼らにとっては、仕事・余暇・学びの3つが常に同時に繰り返されるのです。
 
■ポートフォリオ・ワーカー
変化が多いといっても、人生の中では、一種類の活動に専念する時期もあるでしょう。前述したエクスプローラー(探求者)としてさまざまな可能性を探索したり、フルタイムで企業や勉強をしたりする時期など、です。一方、ポートフォリオ・ワーカーは、様々な活動に同時進行で取り組むステージのことです。ここでは、3つのポートフォリオを紹介しています。1つめは支出をまかない貯蓄を増やす仕事で、2つめは過去のキャリアや人脈を生かしスキルと知的刺激を維持する仕事、そして3つめは新しいことを学びやりがいが感じられる仕事です。これにあわせて、それぞれ違う目的を持った組織や活動を同時に行います。
 
本書では、これら新しい3つのステージに共通することがあると主張します。それらは、1)年齢に関係なく、いつでも、何度でも、ステージを行き来すること、2)どのステージでも常に学び続けているということです。仕事・余暇・学びに区分けがなく、何回も学び直しとスキルを再習得する。これこそが人生100年時代での働き方、キャリアの創り方なのです。

最後に

人生100年時代は、人生70年時代の生き方とは根本的に異なります。だからこそ、今からその心構えと準備をしましょうということがこの本の一番大切なメッセージです。時代の変化があなたの人生を幸せにするのか不幸にするのか。明暗を分けるのは、「人生に終わりなし。いつでも、何度でも、学び直しとスキルの再習得をして、時代に合ったキャリアを主体的に自ら創っていけるかどうか」なのです。今までの常識にとらわれることなく、あなたたちの生きる人生100年時代に相応しい働き方の選択をすることが、企業や社会を動かし、新しい常識を作っていくことになるのです。

人生100年時代、あなたが遭遇する新しい働き方とは?

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

100年時代の人生戦略

著者名:リンダ グラットン、アンドリュー スコット、翻訳:池村 千秋

東洋経済新報社 (2016/10/21)

Amazon詳細ページへ

thumb_up_altキャリアの作り方

自分のキャリアは自分で育てる、人生100年時代を生き抜くための3BOOKS

  • 「働く」ことについての本当に大切なこと
  • LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
  • イノベーション・オブ・ライフ